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令和6年度施政方針

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 更新日:2024年3月13日更新 <外部リンク>

3月坂戸市議会定例会(令和6年2月19日)において市長が表明した、まちづくりの方向性と施策についてお知らせします。

本定例会の開会に当たり、私の市政運営における基本的な考え方と、令和6年度当初予算案をはじめとする、市政の重要な施策について御説明申し上げます。議員の皆様をはじめ、広く市民の皆様方の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

昨年5月、感染症法上「2類感染症相当」と位置付けられていた新型コロナウイルス感染症が、季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に変更されたことに伴い、人々の行動範囲が拡がり、各地で大規模イベントが再開されました。本市におきましても、5年ぶりに開催された坂戸よさこいをはじめ、それぞれが大きな賑わいを見せるとともに、全国の訪日外国人観光客数が、コロナ禍後、はじめて2,000万人を超えるなど、日本に活気が戻りつつあると感じております。

一方、世界に目を向けますと、ロシアとウクライナによる紛争が続く中で、新たにパレスチナのガザ地区でハマスとイスラエルの大規模軍事衝突が起こるなど、今なお、世界情勢は先行きが見通せない状況にあります。これらに加え、円安の加速も重なり、国内においては、エネルギー・食品・生活必需品などを中心に価格の高騰が続き、市民生活に大きな影響を及ぼしております。

このような厳しい経済情勢の中、令和5年11月には「デフレ完全脱却のための総合経済対策」において、変革を力強く進める「供給力の強化」と、不安定な足元を固め、物価高を乗り越える「国民への還元」の2つを「車の両輪」として、日本経済が熱量溢れる新たなステージへ移行するための総合的な経済対策が示されました。本市におきましても、この経済対策に含まれる、所得税・個人住民税の定額減税を迅速に実行するなど、市民の皆様が安心して生活できるよう、今後も国の施策に適切に対応するとともに、その動向に注視してまいります。

また、本年、元日には石川県能登地方を震源とした「令和6年能登半島地震」が発生しました。犠牲になられた方々とご遺族に対しましてお悔やみ申し上げます。また、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。本地震をはじめ、近年、災害が激甚化しております。このような災害から市民の生命、財産を守るため、「想定外はない」という心構えで、誰もが安心して、安全に暮らせるまちづくりに、引き続き取り組んでまいります。

ここで、本市における令和5年度の主な施策・事業を振り返ってまいります。

はじめに、新型コロナウイルス感染症関連の取組といたしましては、感染拡大時に医療体制が逼迫する中で医療機関の受診が難しい方を支援するため、症状がある方への抗原検査キットの無償配布を引き続き行いました。また、児童扶養手当受給世帯及び就学援助世帯を対象に、市内で収穫されたお米を配布いたしました。 

さらに、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備え、県内で唯一、中学生以下の子ども及び65歳以上の高齢者を対象に、インフルエンザワクチン接種費用の無償化を令和2年から継続して実施いたしました。

次に、子育て・教育関連の施策といたしましては、埼玉県内の市で初となる公立小・中学校の給食費無償化を実施し、さらに、私立学校、特別支援学校等に在学している児童生徒へも学校給食費相当額を補助することといたしました。また、事業者が行う園の運営に、市や保護者の意見を反映させることができる公私連携型保育所として坂戸保育園を開園いたしました。当保育園につきましては、現在新園舎を建設中でございます。さらに、児童が安心して放課後を過ごせる場所である学童保育所につきましては、風の子クラブを片柳小学校の敷地内に、令和6年2月1日に移設いたしました。

次に、物価高騰対策の主な取組といたしましては、電気料金の高騰に対する支援策として、昨年度に引き続き、住宅の照明器具のLED化にかかる費用の一部を補助するとともに、さらに対象を事業者にも拡大いたしました。また、同時に米穀価格低迷の影響を受けている生産者に、種もみや肥料の購入代金に対して補助金を交付したほか、肥料価格等の高騰の影響を受けているその他畑作等の生産者及び畜産業者に対しても補助を実施いたしました。

そのほか、物価高騰の影響を受けた市内事業者と消費者を支援する目的で、昨年度に引き続き2回目となるキャッシュレス決済におけるポイント還元キャンペーンを実施いたしました。

次に、環境施策といたしましては、カーボンニュートラルの実現に向け、省エネルギー機器等の設置費補助に加え、新たに省エネルギー性能の高い電気冷蔵庫の購入費を補助いたしました。また、ミツバチプロジェクトでは、ミツバチを取り入れた環境教育および養蜂家の育成や、蜜源地として遊休地を活用する取組みを行ったほか、市内小・中学校の給食に、事業で採取したハチミツを使った「坂戸はちみつゼリー」を提供しましたところ、子どもたちからは大変好評を得たところでございます。

次に、健康施策といたしましては、予防接種法に基づく定期予防接種を実施し、感染症予防等を図ったほか、帯状疱疹の発症抑制及び重症化予防を目的に、50歳以上の方を対象として、帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部を新たに補助し、令和6年1月31日までに、939名に補助いたしました。

次に、住宅環境整備の取組といたしましては、市内において親世代と子世代での同居に際し、住宅の改修等を行う方に対して、経費の一部を補助してまいりましたが、その補助額の上限を引き上げました。また、親世代と市内に近居するため、住宅を取得した子世代の方に対しても、その住宅取得費用の一部を新たに補助いたしました。この事業につきましては、好評をいただいており、補正予算を計上し、令和6年1月31日までに、20世帯に補助いたしました。

次に、防災対策といたしましては、大規模災害時における避難に関する応援協定を新潟県南魚沼市と締結したほか、日本キッチンカー協会と災害時の炊き出しに関する協定を締結するなど、防災に関する新たな協定を締結いたしました。また、交通安全施策といたしましては、令和5年4月1日から、全ての自転車利用者に自転車乗車用ヘルメットの着用が努力義務化されたことに伴い、自転車用ヘルメット購入費の補助を全年齢に拡大し、昨年末までに、1,183名に補助いたしました。

これら各種事業が順調に進められたことについて、議員の皆様と市民の皆様方からの格別なる御理解と御協力を賜りましたことに、心から感謝を申し上げる次第であります。

 私は、市長就任以来、一貫して市民はどう感じているか、どう考えているかといった市民目線を基本姿勢として、市政運営の舵取りをしてまいりました。そして将来に向けた安定した財政基盤を確立し、時代の変化や行政課題を的確に見極め対応した結果、各種事業が確実に実を結び、市民の負託に応えてきたものと自負をしております。特に、近年の自然災害や感染症の流行といった重大な局面では、瞬時の判断が極めて重要でございます。先行き不透明な時代において、私が持つ「決断力」と「実行力」が本市や市民のためになるものと確信しているところでございます。

今後におきましても、社会の動向等を的確に捉え、効果的な施策を積極的に展開し、市民福祉向上のため全力で取り組んでまいります。

また、令和6年度につきましても、「第7次坂戸市総合計画」で定めた、本市の目指すべき将来像である『住みつづけたいまち 子育てしたいまち さかど』の実現に向けて、本市が目指すべき方向性である五つの「まちづくりの基本方向」に基づき、各種事業を展開することで市政運営に全力で傾注してまいります。

それでは、「まちづくりの基本方向」ごとに、関連するそれぞれの施策・事業の概要を申し上げます。

安心して子育てができ、みんなが活躍できるまち

はじめに、一つ目のまちづくりの基本方向である、「安心して子育てができ、みんなが活躍できるまち」についてであります。

子育て支援につきましては、母子保健と児童福祉の支援体制を更に強化するため、こども家庭センターを新たに開設し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的な相談支援を実施いたします。また、こども医療費の対象年齢を10月から18歳の年度末まで拡大することで、子育て世帯の負担を軽減いたします。加えて、引き続き児童扶養手当受給世帯及び就学援助世帯を対象に、市内で収穫されたお米を支援品として配布するほか、ひとり親家庭等学習支援事業に参加している中学3年生を対象に、模擬試験受験費用に対して補助を実施してまいります。

保育関係では、病院等における病児保育、病後児保育の保護者負担額を無償化いたします。また、公立保育園のICT化を推進するため、園児の登降園管理の業務や保護者への情報提供等を支援する保育業務支援システムを導入し、業務負担の軽減を図り、保護者の利便性を向上させ、子育てしやすい環境づくりを整備してまいります。さらに、民間保育所の運営を補助するため、新たに、医療的ケア児保育支援事業及びICT化推進に係る経費を補助いたします。

小・中学校教育に対する支援につきましては、坂戸市の児童生徒が水による事故にあわず自らの命を自ら守れるようにするため、民間の水泳施設を活用した外部講師による水泳指導を全小・中学校に拡大してまいります。また、引き続き、学校支援員を配置し、児童生徒の教育活動、学校生活の充実を図るとともに、「さわやか相談員」の配置や、令和4年度から開始した、いじめ相談等の法律相談を継続して実施することで、いじめや不登校などの予防・対応に取り組んでまいります。

次に、小・中学生の子どもを持つ保護者への経済支援につきましては、家計への負担軽減を図るため、小・中学校の給食費無償化を継続して実施してまいります。このほか、安全対策につきましては、自転車乗車用ヘルメットの配布を小学生にも拡大するなど、更なる安全対策を図ってまいります。また、小・中学校の施設整備につきましては、トイレの計画的な改修を実施するとともに、全小・中学校を対象に、冬場でも、快適に洋式トイレを利用できるよう、便座シートを設置するほか、各校の施設整備について計画的に実施してまいります。

互いを認め合い、健康で心豊かに暮らせるまち

つづいて、二つ目のまちづくりの基本方向である、「互いを認め合い、健康で心豊かに暮らせるまち」についてであります。

地域福祉につきましては、地域福祉の推進に関する基本的かつ総合的な指針を定めた「第3期 坂戸市地域福祉計画」の計画期間が令和6年度に最終年度を迎えることから、福祉を取り巻く新たな課題等を踏まえた次期計画の策定作業を進めて参ります。また、ひとり暮らしの高齢者等が安心して生活できるよう、現在活用している、「市民くらし安心カード」を「民生委員・児童委員緊急連絡カード」として取扱いを改善し、見守り活動をさらに推進してまいります。

高齢者福祉につきましては、引き続き、高齢者が住み慣れた地域の中でいきいきと生活ができるよう、在宅福祉事業や地域包括支援センターの充実を図り、高齢者の社会参加・介護予防に向けた取組、配食・見守り等の生活支援体制の整備、在宅生活を支える医療と介護の連携及び認知症の方に対する支援等を一体的に推進しながら、地域包括ケアシステムの発展に努めてまいります。

障害者福祉につきましては、共生社会の充実を目指し、福祉であいの広場や手話言語ブルーライトアップイベントを開催し交流の場づくりの推進を図るとともに、各種サービスや障害者就労支援センターを充実し、障害がある方の社会参加及び就労への支援に努めてまいります。また、障害者等相談支援センター等による相談支援を実施し、本人及びご家族等の支援充実を図ってまいります。

健康施策といたしましては、引き続き、胎児の健やかな発育や認知症予防等に効果があるとされる葉酸の摂取を促す「葉酸プロジェクト」の推進をはじめとした各種健康づくり事業を展開していくとともに、二十歳のつどいにおいて、葉酸サプリを配布いたします。

予防接種の取組といたしましては、これまで実施してまいりました各種予防接種に加え、令和5年度から、帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部助成を行っておりますが、その接種対象を拡大してまいります。また、成人健診の取組につきましては、これまで実施している各種健診に加え、新たにがん患者医療用補整具購入費用の一部を助成いたします。

多文化共生につきましては、日本語教室ボランティアを対象とした研修会を開催し、外国人住民の日本語習得支援体制の強化を図ります。また、異文化への興味・関心を高めることを目的に、令和5年度に引き続き「多文化交流フェスティバルinさかど」を開催するほか、他国の料理や文化を学ぶ異文化交流イベントを実施いたします。

スポーツ関連施策につきましては、ただいま策定しております「第2次坂戸市スポーツ推進計画」に基づき、各種施策の推進を図るほか、坂戸市民総合運動公園をはじめとする各施設を適切に管理してまいります。

誰もが安心して、安全に暮らせるまち

つづいて、三つ目のまちづくりの基本方向である、「誰もが安心して、安全に暮らせるまち」についてであります。

防災安全対策につきましては、引き続き災害発生時に備え、避難所開設訓練等の実践的な防災訓練の実施、災害用備蓄品の更新及び整備をいたします。また、犯罪被害者やその家族等を支援するため、お見舞い金等の支給などの施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。ほかにも、自主防犯パトロール団体への物資支援及び防犯情報の提供を行うとともに、区・自治会に対して防犯カメラの設置費用を補助することにより、自主防犯パトロール活動を支援してまいります。

交通安全対策につきましては、交通安全推進団体等と連携した交通安全運動や交通安全教室等を開催するほか、道路反射鏡の修繕や通学路等の交通安全施設の整備を行ってまいります。

自然と都市が調和し、活気あふれる暮らしやすいまち

つづいて、四つ目のまちづくりの基本方向である、「自然と都市が調和し、活気あふれる暮らしやすいまち」についてであります。

環境施策といたしましては、ただいま策定しております「第3次坂戸市環境基本計画」に基づき、地球温暖化対策実行計画の推進を始め、省エネルギー機器等設置費や省エネ家電購入費の補助を行っていくほか、各種施策を推進してまいります。また、市公共施設への再生可能エネルギー導入に向けた建物の構造に関する調査を行うなど、ゼロカーボンシティ宣言の趣旨に基づき、更なる脱炭素社会の実現に向けた取組を推進してまいります。

商工業振興につきましては、物価高騰の影響を受けた市内事業者と消費者を支援する目的で、令和4年度から3年連続3回目のキャッシュレス決済におけるポイント還元キャンペーンを実施いたします。また、商工会や商店街等を支援するとともに、坂戸よさこいへの補助や市内事業者がこだわりを持って作った商品、「さかど自慢の逸品」を販売するミニマルシェの実施など、更なる商工業の振興・地域経済の活性化を図ってまいります。

農業振興につきましては、令和5年度に引き続き、米穀価格低迷及び物価高騰の影響を受けている生産者に対し、種もみや肥料の購入代金の一部補助を実施するほか、肥料価格等の高騰の影響を受けている生産者に対して支援内容を拡充し、補助を実施するとともに、ほ場整備事業をはじめ、第2次坂戸市農業振興ビジョンに掲げる各種農業施策を推進してまいります。

道路整備につきましては、関間千代田線の街路築造工事等を継続して実施してまいります。また、市民生活に密着した生活道路及び歩道について順次整備を行い、市民の安全確保に努めてまいります。

都市公園等につきましては、引き続き市民が安心して安全に利用できるよう維持管理を行うとともに、公園園内灯のLED化を進めてまいります。

住宅環境整備の取組といたしましては、令和5年度に引き続き、市内において親世代と子世代での同居に際し住宅の改修等を行う方に対して、経費の一部を補助するとともに、親世代と市内近居するために子世代が住宅を取得した場合についても、その住宅取得費用の一部を補助してまいります。

北坂戸のまちづくりにつきましては、都市機能の集約による多世代が暮らし続けられるまちづくりに向けた計画が実施段階を迎えることから、着実に取り組んでまいります。

そのほか、旧城山小学校跡地につきましては、地元懇談会などでの意見を踏まえ、現在策定している活用方針に基づき、今後の跡地利用に係る活用計画を策定してまいります。

市民とともにつくる、みんなが輝く誇れるまち

最後に、五つ目のまちづくりの基本方向である、「市民とともにつくる、みんなが輝く誇れるまち」についてであります。

本市への定住施策と若者を支援する新たな取組といたしましては、坂戸市に定住する意思がある方を対象として、在学時に借り入れた奨学金返還金額の一部を補助する奨学金返還支援事業を実施してまいります。

公民館の地域交流センター化につきましては、これまで社会教育施設として公民館が果たしてきた社会教育・生涯学習を支援する役割を引き継ぎながら、住み慣れた地域で安心して生活していただくため、4月から公民館を地域交流センターに移行し、地域の皆さんとともに地域課題の解決や地域づくりに取り組んでまいります。

また、文化施設につきましては、引き続き、指定管理者制度を活用し、文化会館及び文化施設オルモの管理運営を行うことで、事務の効率化及び経費削減を図るとともに、設備等の修繕を実施してまいります。

デジタル技術の活用につきましては、市民サービスの向上を図る観点から、行政手続等のデジタル化を見据えた情報通信基盤の整備や新たなサービスの導入等を推進してまいります。

文化財保護につきましては、埋蔵文化財及び古文書をはじめとした文化財の調査及び記録保存等を行うとともに、地域に根付く伝統文化等の次世代への継承を目的とした「坂戸のまつり」を、8年ぶりに開催いたします。

以上、令和6年度の主な施策の概要等について申し上げてまいりましたが、「第7次坂戸市総合計画」における将来像『住みつづけたいまち 子育てしたいまち さかど』の実現に向け、それぞれの分野における各種施策を着実に進め、子どもから高齢者まで、坂戸市に関わるすべての皆様が安全で安心して暮らすことができる、そして、坂戸市に住んでみたい、住みつづけたいと感じ、自分もこのまちで子育てをしたいと思っていただけるまちづくりに積極的に取り組んでまいります。

また、財政運営の更なる健全化を目指し、時代の潮流に取り残されることのないよう、国政の動向を注視し、本市を取り巻く社会経済状況の変化を意識しながら、未来を見据えた市政運営を積極的に展開してまいりたいと考えております。

議員の皆様方におかれましては、今後とも、健康に十分御留意をいただき、変わらざる御指導と御協力をお願い申し上げ、令和6年度の施政方針といたします。

令和6年2月19日
坂戸市長 石川 清