公益通報窓口について
近年、事業者内部からの通報を契機として、国民生活の安心や安全を損なうような企業不祥事が相次いで明らかになりました。このため、そうした法令違反行為を労働者が通報した場合、解雇等の不利益な取扱いから保護し、事業者の法令遵守経営を強化するために、「公益通報者保護法」が施行されました。
これに伴い、市では、公益通報に係る事務処理について要綱を定め、市が勧告、命令などの処分権限を持つ場合の公益通報先として、庶務課内に公益通報窓口を設置しました。
公益通報の処理に関する要綱
坂戸市外部の労働者からの公益通報の処理に関する要綱[160KB pdfファイル]
公益通報者保護法の概要
公益通報者保護法は、次のようなことを定めています。
労働者が、事業者内部の一定の犯罪行為やその他の法令違反行為(最終的に刑罰が規定されているもの)について、事業者内部 行政機関 その他の事業者外部 のいずれかに対し、通報先に応じた保護要件を満たした通報を行った場合
- 公益通報者に対する解雇の無効・その他の不利益な取扱いの禁止
- 公益通報を受けた事業者や行政機関のとるべき措置
公益通報とは
- 事業者(事業者またはその役員、従業員等)について法令違反行為が生じ、またはまさに生じようとしている旨を
- そこで働く労働者が
- 不正の目的でなく
- 次のいずれかに対し、所定の要件を満たした通報をすることをいいます。
- 事業者内部
労務提供先(または労務提供先があらかじめ定めた者) - 行政機関
法令違反行為について処分または勧告等を行う権限のある行政機関 - その他の事業者外部
その者に対し法令違反行為を通報することがその発生またはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者
例:報道機関、消費者団体、事業者団体、労働組合 等
- 事業者内部
対象となる法律
国民生活の安心や安全を脅かす法令違反の発生と被害の防止を図る観点から「国民の生命、身体、財産等の保護にかかわる法律」として定められた法律
例:刑法、食品衛生法、金融商品取引法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、個人情報の保護に関する法律 等
通報先ごとの保護要件
- 事業者内部への通報
金品を要求したり、他人をおとしめるなどの不正な目的で行われた通報でないこと。 - 行政機関への通報
1の要件に加え、通報内容が真実であると信じられる相当の理由があること。 - その他の事業者外部への通報
1及び2の要件に加え、次のいずれか1つに該当すること。- 事業者内部や行政機関に通報すると解雇など不利益な取扱いを受けると信じられる相当の理由がある場合
- 事業者内部に通報すると証拠が隠滅されるなどのおそれがあると信じられる相当の理由がある場合
- 労務提供先から、事業者内部または行政機関に公益通報をしないことを正当な理由がなく要求された場合
- 書面(メール等を含みます。)により事業者内部に通報して20日を経過しても調査を行う旨の通知がない場合または正当な理由がなく調査を行わない場合
- 個人の生命または身体に危害が発生し、または発生する緊迫した危険があると信じられる相当の理由がある場合
通報の際の注意点
第三者の個人情報、事業者の営業の秘密、国の安全にかかわる情報などが併せて通報された場合は、他人の正当な利益や公共の利益が害されることも考えられます。また、真実でないことが報道などを通じて広く知られてしまうと、個人や事業者が取り返しのつかない損害を受けてしまうこともあり得ます。
このため、通報を行うに当たっては、他人の正当な利益や公共の利害を害することのないように努めることが必要です。
通報者の保護
- 解雇の無効
公益通報をしたことを理由として事業者が行った解雇は無効です。 - 解雇以外の不利益な取扱いの禁止
解雇以外にも、公益通報をしたことを理由とするその他の不利益な取扱いも禁止されています。
例:降格、減給、訓告、給与上の差別、退職の強要 等 - 労働者派遣契約の解除の無効等
派遣労働者が派遣先で生じている法令違反行為を通報しても、それを理由とする労働者派遣契約の解除は無効であり、派遣労働者の交代を求めること等も禁止されています。